ノイズの無駄の彼方

ムラタ@geonoize

カラーオブハート

昨日は適当に深夜やっていた映画に取り込まれた。いや面白かったんで最後まで観てしまいました。タイトルは「カラー・オブ・ハート [DVD]」。最初見始めたときは、昔のベッタベタなコメディホームドラマ(=プレゼントヴィルと言う劇中?の白黒ドラマ)調にちょっと笑いながら、なんだこれ?ぐらいな気持ちで見入ってしまったのですが、内容はかなり原則的な教養映画でした。正直、感動です。
簡単なあらすじを言うと、そのプレゼントヴィルオタ(かなりヘヴィ)な高校生とその双子でカッコいい男を追いまくる女の子が、何の因果かテレビの中の色の無い白黒プレゼントヴィルの中に入り込んでしまい、毎日同じ日常と言うドラマの秩序世界の中で、そこの住民にルーチンワークではない日々の感動を思い出させていくお話です。わかった?
そしてこの映画について説明する上で欠かせないのが、先ほどから何度も白黒とい言葉を使ってますが、入り込んだプレゼントヴィルには色がありません。白黒テレビだったから。双子の高校生も白黒になっています。これがだんだん、自分の気持ちを発見し露見するようになると、色がついていくという発想になっています。自分の気持ちを表現する=色を取り戻すという感じで、少しずつ色が入り込んでくるわけです。おもしろいね。
劇中については、換わり行く自分と世界への若い子供世代の順応速度に対して、やはり親世代の戸惑いが非常に伝わります。特に母親の広がり行く世界への不安、変わり行く自分へのおびえがなんとも言えず涙モノです。自分の肌にも色が戻った後の、どうしたらいいのかわからない不安感、どうやって夫を顔を合わせたらいいのか?といった仕草がちょっとかわいいです。年増ですが…。親父さんも親父さんで、もともとドラマの設定かなんかで人格者と言うことだったので、秩序世界に身を置きながらも、変化していく人々をむげに切り捨てることが出来ず苦悩してしまう場面は凄いつらいです。
また、色を覚えた住民といまだ白黒の秩序世界に心をおく住民の衝突過程は若干、歴史の縮図のように、文革だったりラッダイトだったり新しいものへの排斥運動を連想しまして、最初にも書きましたがかなり原則的なゴリの社会派的つくりになってます。もちろん、カラーと白黒の住民なわけで人種差別への皮肉も。白黒サイドになりますが、闘うぞーとか、集会に行こう!とかの場面も普通にあったり、裁判闘争にまでなっていくのは、権利の獲得=個人の解放といった過程そのもののようにも感じました。表現の自由についても、クシクモこんなニュースでも分かるように脅かされているのが現実ですんで、こういう映画はいいものですね。
余談になるが、元の世界に戻ってきた後のリアル母親との会話での「一人前」という言葉が自分に突き刺さる。まだまだ自分はガキだなーとか思い、気分を引き締めてみる。
全体としてはかなり感動いたしました。アツかったです。こんなに書いてなんなんですが、まぁ昨日テレビで一回見ただけなので、まだまだあるのですが、記憶もあいまいになりつつあるのでこのへんで。
そうそう、ほーちゃんが吹き替えをやっていたのもかなりポイント。と同時に、やっぱこういう声が好きなんだなーとなんだか確認。おみまゆも出ていたようですが、おそらくぐらいでしかキャラの推定は出来なかった。ていうかさすがに気付けなかった。ヌルイ。